第89回例会

日時:2016年6月4日(土)13:30 ~ 17:30

場所:キャンパスプラザ京都6階 立命館大学サテライト講習室(第1講習室)

<<内容>>

研究発表会

研究発表
司会者:島 憲男 氏(京都産業大学)

発表者:納谷 昌宏 氏(愛知教育大学)
題目:機能動詞構造の生成 ―LCSに基づく分析―

[発表要旨]

次の文1aは基礎動詞、文1bは機能動詞構造を用いた文である。

1a Er verwendet das Geld.
1b Das Geld findet Verwendung.

1bのような機能動詞構造は何のために存在するのだろうか。どのような統語タイプがあるのだろうか。そしてそれらはどのような表現機能を有しているのだろうか。本発表ではこうした機能動詞構造の基本的な特徴を明らかにし、さらに如何なるメカニズムに基づいて、基礎動詞から機能動詞構造が生成されるのかを明らかにする。その際LCS(Lexical
Conceptual Structure=語彙概念構造)を用いて生成メカニズムを分析する。LCSは動詞の意味を抽象的な術語概念を用いて表示したものであるが、今回の発表ではLCSの抽出や融合によって、さまざまなタイプの機能動詞構造が生成されることを明らかにしたいと考えている。


第34回言語学リレー講義
司会者:島 憲男 氏(京都産業大学)
講師:在間 進 氏(東京外国語大学名誉教授)
題目:ドイツ語研究の問題点とそれを越える一つの試み

[発表要旨]

まず、①分析の「最終目標」、②その「実在性」、③その「証明可能性」、④論述における「自然言語」の使用の4点に関する私の「否定的な」考察を述べ、次に、そのような問題点を越える一つの試みとして、現在、①ドイツ語使用の根底には「一定の規則性」が「可変的」な形で実在している、②その「可変的規則性」は使用頻度の中に反映される、③これらの点を分析の基盤にし、「実用的応用」を目標にするならば、「ドイツ語使用頻度分析」は十分に意義ある研究になると考え、④言語データ分析の技術的可能性を試みつつ、⑤使用頻度分析に基づくドイツ語分析と記述を行っていることを、いくつか具体例とともに、報告します。


定例総会

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