第69回例会

日時:2009年9月19日(土) 13:00~17:00
場所:京都ドイツ文化センター
<<内容>>

研究発表会

司会者:吉村 淳一 氏(滋賀県立大学)

研究発表1
発表者:富永 晶子 氏 (京都大学院生)
題目:ドイツ語母語話者と日本人学習者における発話上のリズム調整

[発表要旨]

 本発表はドイツ語の「ドイツ語らしさ」を「音」の観点から考究する。その際に、ドイツ語の母語話者と日本人学習者を比較対象にして、フットで区分された各音節のリズム調整の実態を考える。
発表者はすでに、発話上の「ドイツ語らしさ」を明らかにするひとつのアプローチとして、フット内の強・弱勢音節の持続時間を調整することで、各フット間の時間的均等が指向されるとする「時間補償」について考察し、「時間補償」を妨げる素因に日本人学習者の母語干渉を想定した。
本発表では特定の名詞と分離動詞を用い、発話文の統語パターンによる持続時間の調整が、ドイツ語母語話者に及ぼす蓋然性を考察し、またドイツ語の修得に差がある日本人インフォーマントの相互間において、統語構造と母語干渉の関連が認められるかどうかについても論じる。


研究発表2
発表者:磯部 美穂 氏(大阪市立大学非常勤講師)
題目:テクストにおける新造語――名詞複合語の形成過程とその意味解釈――

[発表要旨]

 新造語(Wortneubildung)とは、テクストにおいて即席に新しく形成される語で、また、その後他のテクストにおいて同一の意味で使用されることはなく、語彙として辞書に掲載されることのない語のことをいう。新造語は単に新しい事柄を命名するためだけに形成されるのではなく、その語形成はテクスト構成上重要な役割を担っており、テクスト理解の際にキーワードとなる概念の理解を助ける。本発表ではこうした機能に着目し、新造語の形成過程とその意味解釈の際における、新造語とコンテクストとの相互作用を例証する。造語法の中でも生産性が高く、構成語間における意味関係のモデル化が困難とされる名詞複合語を分析の対象とする。


研究発表3
発表者:Dieter Trauden 氏(京都大学)
題目:Mehrsprachigkeit in mittelalterlichen Texten
―― unter besonderer Berücksichtigung des Schauspiels ――

[発表要旨]

Mehrsprachigkeit in literarischen
Texten wird heute vor allem als Phänomen der Moderne und Postmoderne unter Stichworten wie
Kolonialismus, Globalisierung und kultureller Hybridisierung diskutiert. Aber bereits im
Mittelalter gab es viele Texte, die hauptsächlich lateinische, aber auch z.B.
französische, italienische, tschechische oder hebräische Passagen bzw. Ausdr&uumlcke
in ein deutschsprachiges Umfeld integrierten. Auf welche Weise dies (insbesondere in
Dramentexten) geschah und was für Gründe und Intentionen sich damit verbanden, ist
Thema dieses Vortrags.

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