第65回例会

日時:2008年5月31日(土) 13:30~17:30
場所:京都ドイツ文化センター
<<内容>>

研究発表会

司会者:齋藤 治之 氏(京都大学)

研究発表1
発表者:片岡 宜行 氏 (福岡大学)
題目:動詞付加辞の機能について

[発表要旨]

 ドイツ語の不変化詞動詞(分離動詞)に関する近年の研究では、不変化詞動詞が「動詞付加辞(不変化詞・分離前綴り)+動詞」という複合的なまとまりとして捉えられ、「前置詞句+動詞」などと平行的なものとして論じられることが多い。動詞付加辞が前置詞句と対応・競合するものであるならば、動詞付加辞を基礎動詞に付加することによって文の構造に変化が生じることになる。例えばden Zettel an die Wand kleben という句を不変化詞動詞を用いて den Zettel anklebenと言い換えると、前置詞句が消失し、項が一つ減少することになる。本発表では、このような文構造の変化を中心に、動詞付加辞のもつ機能について考察したい。


研究発表2
発表者:阿部 美規 氏(富山大学)
題目:正書法改革の改革について―分かち書き・続け書き規則の場合―

[発表要旨]

 ドイツ語のいわゆる新正書法は、「正書法改革の改革」とまで呼ばれた大幅な規則改変を経て、2007年8月1日、当初の予定より遅れること2年の後にようやくドイツにおける正書法上の唯一の拠りどころとなるに至った。これをもってドイツ語正書法をめぐる問題は一応の解決をみたわけであるが、一方で、度重なる規則変更の結果、最終的にどのように綴るのが正しいのか、多くの人にとって必ずしも明確ではなくなったこともまた事実であろう。このような現状に鑑み、本発表ではドイツ語新正書法規則の中でも特に混乱を極めた「分かち書き・続け書き規則」が、新正書法導入以後現在に至るまで、いかなる理由からどのように変更されたのか、またそれによってどのような問題が解決されたのかなどの点を明らかにすることで、正書法に纏わる混乱ないし不安の一端を解消することを試みたい。


定例総会

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*