第51回例会(研究発表会)

日時:2003年9月27日(土) 13:30~17:30

場所: 芝蘭会館 国際交流会館

<<内容>>

1.ドイツ語教育シンポジウム

司会者:湯浅 博章 氏(姫路獨協大学)

報告1
報告者:岸川 良蔵 氏(鳥羽商船高専)
題目:項目小出し方式――45分授業という条件のもとで――


報告2
報告者:吉村 淳一 氏(大阪市立大学非常勤)
題目:学生との対話


報告3
報告者:本田 陽太郎 氏(奈良県立医科大学)
題目:ドイツ語力と専門ドイツ語


報告4
報告者:神谷 善弘 氏(大阪学院大学)
題目:ドイツ語の授業を再考する――ドイツ語教育の底辺を拡大するためのいくつかの方法――


2.自由討論会

[シンポジウム要旨]

 旧文部省によるいわゆる「大綱化」以来、ドイツ語教育をめぐる環境は激変した。全国の大学、高専、中学・高校のカリキュラムが改革され、これとともにドイツ語教育は「危機的な」状況に陥った。こうした状況を受けて、教授法の研究や授業の見直しが進められ、新たな教材やさまざまな機器の活用法が模索されてきた。日本独文学会やドイツ語教育部会、ならびに本研究会でも何度もシンポジウムや研究発表が行われ、これからのドイツ語教育のあるべき姿について議論されてきた。けれども、これまでの試みは素材と道具をどのように改良するかという範囲に留まっていて、いわば食材と調理器具を使ってどのような料理を作り出すか、つまりシェフの腕に関わる部分の議論までには至っていないように思われる。我々がドイツ語教師として日々教壇に立つ以上は、いかに腕を磨くかという問題は避けて通ることのできない問題であり、今後はこの問題に関する議論が必要になってくるであろう。そこで、この問題に対する本研究会での試みの第一歩として、今回のシンポジウムを企画した。
今回のシンポジウムでは「効果的な授業」ということをテーマに取り上げているが、どのような授業を「効果的」と判断するかの基準は、もちろんカリキュラム等の環境によって異なるであろう。しかし、どのような環境に置かれようと、それぞれの教師が行う授業が効果的かどうかはその授業を受けている学生が判断するのであり、この点では環境によって左右されるものではない。こうした基本認識に立ち戻り、「効果的な」授業にするためにどのような工夫をしたり、どのような問題を抱えているかということを忌憚なく話し合い、そこから参加者の方々が何らかのヒントを得られるような機会にしたい、というのが今回のシンポジウムの趣旨である。シンポジウムでは、まずそれぞれの報告者からおおよそ以下のような項目についての具体的な工夫点、問題点が示され、その後報告の内容をもとにして会場全体で討論および情報交換を行いたい。今回のシンポジウムが参加者の方々の、ひいてはこれからのドイツ語教育の改善につながる機会となることを関係者一同願って止まない。

  • 学生のニーズの把握とその授業への反映
  • カリキュラムに応じた授業計画の立て方
  • 授業展開の仕方(年間、学期、毎回)
  • 文法項目や四技能の取り扱い方
  • テキストの選択
  • 副教材・資料や機器の活用の仕方
  • 授業以外のケアのやり方
  • 授業に関する評価
  • これからのドイツ語教師に求められる能力
  • 学生の受講マナーを改善するための方策 等

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