第105回例会(WEB開催)

日時:2021年12月18日(土)13:30 ~ 17:30
(Zoom会議)

<<内容>>

研究発表会

研究発表1
発表者:発表者:井上 瞬 氏(京都大学大学院生)
題目:エリザベス朝演劇における比較・除外表現の代名詞の格について

[発表要旨]

 Visser (1970)によると、規範的には主格の代名詞が求められる場合でも、17世紀後半以降as, thanの後で目的格が用いられる例が見られるようになった。この他butなどを用いた除外表現においても同様の例が報告されている。しかしこれまで初期近代英語期(1500-1700)に関して、こうした環境での代名詞の使用について、網羅的な調査は行われて来なかった。本発表は、エリザベス朝演劇のとりわけShakespeareら四名の劇作家の全戯曲の最初期の刊本から構築した独自のコーパスを対象に調査し、考察を行うこととしたい。


研究発表2
発表者:上田 直輝 氏(大阪大学大学院生)
題目:EuroComGerm の日本の大学教育におけるポテンシャルと意義

[発表要旨]

 外国語学習法であるEuroComGermは、既にもっているドイツ語・英語の言語知識を活用することで複数のゲルマン語(オランダ語、スカンディナヴィア諸語など)の読解能力を短期間で同時に習得することを目標としている。この学習法において学習者はsieben Siebeと呼ばれる大きく7領域に区分されるストラテジーを学び、これらを適用しながらゲルマン諸語の文法や語彙をドイツ語・英語の言語知識と照応させることでゲルマン諸語の文章を解読する技能を培う。本発表ではEuroComGermの理念や具体的な学習法を解説した上で日本人ドイツ語既習者に対する適用可能性についての理論的考察を述べるとともに、この学習法を日本の大学教育に組み込むことができた場合に期待できる意義を検討する。


研究発表3
発表者:薦田 奈美 氏(三重大学)
題目:授業内における共同体の役割 -対面授業とオンライン授業

[発表要旨]

 本発表では、大学で行われている初修外国語としてのドイツ語授業を対象とし、従来の対面授業と、コロナ禍により導入が加速したオンライン授業を比較し、受講者にとって有益な、あるいは有益であると感じられるのはどのような授業実施方法であるのかを考える。特に2020年度以降、「オンライン授業をいかに効率的に行うか」という観点での報告や論文は多く見られたが、オンライン授業と対面授業のどのような点が異なり、その違いが学生にどのように作用しているかという点に着目した研究は未だ少ないと思われる。授業を構成する「共同体」としての学生と教員のコミュニケーションを軸として、各授業が持つ特性を明らかにすることを目指す。


要旨説明/質疑応答(Zoom会議)
司会者:大喜 祐太 氏


臨時総会

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