場所:京都大学吉田南1号館1共31(3階)
<<内容>>
シンポジウム
「外国語学習のあらたな地平 ― 慶應義塾大学SFCドイツ語教材開発研究プロジェクトの取り組み ―」
報告者:
藁谷 郁美 氏(慶應義塾大学)
マルコ・ラインデル 氏 (慶應義塾大学)
白井 宏美 氏(慶應義塾大学)
太田 達也 氏(南山大学/慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問))
倉林 修一 氏(慶應義塾大学)
SFCドイツ語教材開発研究プロジェクトメンバー(慶應義塾大学学部生)
[シンポジウム要旨]
本発表は、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)ドイツ語教材開発研究プロジェクトによるICTを利用した外国語学習環境構築の取り組みのコンセプトおよび具体的な実践例とその評価について報告するものである。「学習」に対する考え方の転換は、現代の外国語教育にも大きな変化をもたらしている。すなわち、教師主導の教示主義的な教育観にかわり、学習者中心の社会構成主義的な学習観のパラダイムが出現して以来、教師や大学に課せられた役割は、単なる効率的な「授業」の運営という枠を越え、学習者を取り巻く「学習環境」の構築という範疇にまで拡大した。従来こうした学習環境のデザインや運営を担当するのはもっぱら教職員であったが、本プロジェクトでは、SFCで言語を学ぶ学習者が自らSFCにおける外国語学習環境構築に向けて、デジタル学習教材開発や学習支援システムの構築に携わっている。 このプロジェクト活動が核となり開発されてきた多様な教材作品には、これまでも多くの学習者・教員・研究員・他分野の研究室等が共同研究者として関わってきた。特に学習者間でおこなわれる協働学習が教材開発活動につながる部分は本プロジェクトの大きな特徴である。本発表では、教材開発だけではなく、実際の運用、評価までを担うこのプロジェクト活動とその機能を、研究と教育の両面から位置づける。さらに本プロジェクトから生まれた個別の学習教材作品を例に挙げ、それぞれの開発・運用・評価について説明する。 ますます多様化する外国語学習環境のありかたに対し、本プロジェクトによる学習環境構築の事例を通して、あらたな視点を提言したい。
ディスカッション