第115回 例会

日時・会場詳細

◇日時:2025年5月17日(土)13:00 〜 16:45

◇会場:楽友会館1階 会議室1


〔例会プログラム〕

◇ 研究発表

1. アルザス語の末尾子音スロットにおける音素配列と挿入母音の選択に関する考察

作本 大祐 氏(京都大学大学院)

2. 動詞か名詞か —動作性のカテゴリー化とその捉え方

大薗 正彦 氏(静岡大学)

 

◇ 2025年度定例総会

 

〔発表要旨〕

1. アルザス語の末尾子音スロットにおける音素配列と挿入母音の選択に関する考察

作本 大祐 氏(京都大学大学院)

アルザス語(本発表ではアレマン語域を念頭に置く)とドイツ語において,末尾子音スロットにおける音素配列の制約にはいくつかの違いがみられる。その一例として,アルザス語の比較的広域では,流音に軟口蓋音が後続するような子音クラスターへ,母音が挿入される(e.g. els. Volik vs. dt. Volk; els. stàrik vs. dt. stark)ことが挙げられる。

本発表ではこの母音挿入を事例として,アルザス語の末尾子音スロットにおける音素配列の制約に触れながら,挿入母音の具体的選択事由について考察をおこなう。

2. 動詞か名詞か —動作性のカテゴリー化とその捉え方

大薗 正彦 氏(静岡大学)

ある出来事を描写する際,多くの言語では動詞と名詞という二つの品詞が用いられる。動詞は一般に時間的側面を伴う過程を,名詞は典型的に物理的対象を表し,時間的側面を含まない。名詞化された動詞(例:Schlafや「眠り」)は典型的な対象ではないが,時間的側面が背景化している点で,動詞とも異なる捉え方がなされている。

これまでの対照研究では,日本語では動詞(的表現)が用いられやすく,ドイツ語や英語では名詞(的表現)が好まれる傾向が指摘されてきた。本発表では,動作性の言語化のあり方を整理しつつ,日独語における相違を対照的に検討する。語彙レベルでのカテゴリー化と,事態把握のレベルを区別して調査を行う。

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